新卒からFIREは何年で可能?働きたくない人の就活戦略

FIRE

FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の略で、日本語では「経済的自立と早期退職」と訳されます。簡単に言えば、「働かなくても生きていけるだけの資産を若いうちに築き、会社勤めなどの労働から解放される生き方」です。

コロナ禍以降、この考え方は日本でも急速に広まりました。

今回は「そもそも仕事したくない」「身体が弱いから、早期にFIREしたい」という方のために、近い将来でのFIREを視野に入れた就活の戦略を一緒に考えます。

計画的に就活を行い、自分の理想の生き方を実現しましょう。

まずはFIREの種類を確認しよう

FIREにはいくつかのスタイルがあります。

完全に働かない「完全FIRE」、最低限の労働は続ける「サイドFIRE」、投資収益と副業で生活する「バリスタFIRE」、そして節約を極めて少ない資産でも生活する「リーンFIRE」などです。いずれのスタイルも、「早いうちに自由な時間を確保したい」というニーズから来ています。

では実際にFIREを達成するために必要な金額はどのくらいなのでしょうか。以下は年間生活費と投資利回りの違いによる必要資産の目安を示した表です。

年間生活費投資利回り3%の場合投資利回り4%の場合
180万円(15万円/月)6,000万円4,500万円
240万円(20万円/月)8,000万円6,000万円
300万円(25万円/月)1億円7,500万円

たとえば、月20万円で暮らすと仮定して、年240万円必要です。年利4%で資産を運用できる場合、6,000万円の資産があれば生活は成り立つ計算です。もちろん、将来の物価上昇や税金も加味する必要はありますが、FIREの計算はあくまでこの「年間支出÷利回り」が基本になります。

つまり、「何年でFIREできるか?」の答えは自分の生活費と年収、そして投資に回せる金額で決まります。

新卒からFIREを目指すには何が必要?


FIREを現実的な目標として考えるなら、「何年でいくら貯めるか?」という視点だけでなく、「そもそもどんな条件を満たせばFIREに近づけるのか?」という観点が重要です。ここではFIREを目指すために必要な4つの柱について解説します。

支出の最適化(ミニマル生活)

FIREを目指すうえで最初にやるべきことは「無駄な出費を減らす」ことです。生活費が低ければ低いほど、FIREに必要な資産総額も少なく済みます。

たとえば月に20万円で生活できる人がFIREを実現するには「年間240万円の支出×25年分=6,000万円」が目安になります。

一方、月25万円必要であれば、7,500万円が必要になり、ハードルは一気に高くなります。

この差は非常に大きく、家計の見直しがどれだけ重要かを示しています。特に影響が大きいのは家賃や通信費、保険料といった固定費です。

一度削減すれば、毎月確実に浮く金額になるため、早期の見直しが欠かせません。また、必要以上に贅沢な暮らしをせず、価値のある支出に絞ることも重要です。

「我慢」ではなく「選択」によって支出を整える意識が求められます。

手取りを高める(収入アップ)

当然ながら、収入が多ければ貯蓄スピードは大きく上がります。FIREを目指すには「給料の高い業界や職種を選ぶ」ことが非常に現実的な戦略です。

新卒で年収400万円程度のスタートでも、将来的に600万円〜800万円以上を目指せる職種に就くことが理想です。
たとえばITエンジニアやコンサルタント、金融業界などは成果に応じて年収を上げやすい傾向があります。

また、収入の柱を1つに限定しないことも重要です。副業が可能な企業を選び、20代のうちからスキルを活かした副収入を得られる体制を整えておくことで、所得はさらに増やせます。

余剰資金で投資(長期・積立)

FIREの達成には投資による資産運用が不可欠です。給与収入だけでは数千万円規模の資産形成は現実的に困難であり、投資によって資産を「働かせる」ことが求められます。

20代からつみたてNISAやiDeCoなどを活用し、インデックスファンドに長期で積立をすることが大切です。年利3〜5%を想定し、ドルコスト平均法で毎月一定額を淡々と積み上げていきましょう。

焦ってハイリスクな個別株や仮想通貨に手を出すのではなく、「長く、堅実に続ける」姿勢が大切です。複利効果を最大限に活かせるよう、できるだけ早く投資を始めることで、将来的なリターンは大きく変わってきます。

継続的な学習と副業

FIREは「何もせずに一生暮らす」という意味ではありません。たとえ資産的に働かなくても生きていける状況になったとしても、知識やスキルがない状態では不安が増すだけです。

現代では「セミリタイア型FIRE」として、必要に応じてゆるく働きながら自由な時間を増やす人も多いです。特に在宅でできる仕事(ライティング、動画編集、デザイン、ブログ運営など)を若いうちから少しずつ経験しておくことで、FIRE後の不安は大きく減ります。

また、学習習慣を持ち続けることで、時代に応じた働き方への適応力も高まります。FIREはゴールではなく「新たな働き方の選択肢を持つ状態」だと捉えることが、心の余裕につながるでしょう。

FIREを目指す人におすすめの就職先・業界


FIREを達成するには貯蓄・投資の習慣も大切ですが、それ以前に「そもそも高めの収入を得られる仕事」に就いているかどうかが大きな分かれ道になります。

たとえ月数万円ずつ投資していても、手取りが20万円未満では生活費と投資資金の両立が難しく、資産形成に時間がかかりすぎてしまいます。

しかも20代は支出が安定しない時期でもあり、将来的なキャリアの軌道修正も視野に入るからこそ、最初から“FIREしやすい土台”を選ぶことが重要です。

そこで、「若いうちから年収が伸びやすい」「投資や副業との相性が良い」「スキルが将来的に独立に活きる」などの条件に基づいて、FIRE志向の就活生におすすめしたい業界や職種を紹介します。

どれも一長一短はありますが、自分の性格や価値観と照らし合わせながら検討することで、戦略的なキャリア設計が可能になります。

ITエンジニア(Web系・自社開発)

FIREを目指す人にとって、ITエンジニアは非常に現実的かつ人気の高い選択肢です。初任給は一般企業と大差ありませんが、スキルアップのスピードが速く、実力次第で20代後半には年収600万〜800万円が見えてきます。

特に自社サービスを展開しているWeb系企業やスタートアップは働き方の自由度が高く、フルリモートや副業OKなどの柔軟な制度が整っている傾向があります。そのため、本業で安定収入を得つつ、副業で収入の柱を育てたい人にとっては最適な環境です。

また、プログラミングやシステム設計といった技術はFIRE後にも活かせます。たとえ本業を退いた後でも、小規模な開発案件やフリーランス的な仕事で収入を得ることが可能であり、「完全リタイア」ではなく「必要なときだけ働く」というスタイルにも柔軟に対応できます。

Webマーケター・広告運用職

マーケティング分野もFIRE志向の人に非常に人気です。
理由は明確で、スキルの再現性が高く、会社員として得た知識をそのまま個人活動に活かしやすいからです。

Web広告運用やSEO、SNSマーケティングといった領域に関わっていれば、自分のブログやYouTubeチャンネル、コンテンツ販売といった副業にもダイレクトに応用できます。

また、成果報酬型の評価制度を採用している企業もあり、早い人では20代前半で年収500〜700万円に到達することもあります。

専門性が上がれば独立もしやすく、比較的フラットな職場環境も多いため、精神的にも働きやすい傾向があります。
副業やフリーランスとの親和性が高い職種なので、FIRE後のセミリタイア生活にもスムーズに移行できるでしょう。

外資系企業・総合商社

最短距離でFIREを目指したいなら、年収水準の高さで就職先を選ぶのも一つの戦略です。外資系コンサルティング会社や投資銀行、総合商社などでは新卒数年目で年収800万〜1000万円を超えるケースも少なくありません。

このような環境で数年間集中して働き、短期間で資産を築いてから離脱する“割り切り型FIRE”は実行力があれば現実味のある選択肢です。

もちろん、その分仕事の負荷は非常に高く、休日出勤や深夜残業、出張の連続といったタフな働き方が求められます。
体力や精神力に自信がある人にとっては一気に資産形成を進めるチャンスになりますが、無理をすると健康を損ねる可能性があります。

自分の性格や限界を見極めながら、短期集中で挑むかどうかを判断することが重要です。

高インセンティブ型営業職(人材・不動産・保険)

人材紹介や不動産、保険業界の営業職は若いうちに高収入を狙える代表的な職種です。

成果に応じてインセンティブが支給される仕組みの企業が多く、20代で年収1000万円以上を稼ぐ社員も実際に存在します。特に完全歩合制に近い制度を採用している会社では努力次第で短期間で資産を築くことが可能です。

ただし、安定とは無縁の世界でもあり、成果が出なければ収入は激減するため、常に結果を求められる厳しい環境に身を置く覚悟が必要です。

精神的なプレッシャーも大きく、「長期的に続ける」というよりはFIREのための“短期集中稼働”として取り組むほうが現実的です。自分に強い営業適性があるかどうかを見極めたうえで選ぶことが欠かせません。

このように、FIREを目指すなら「楽そう」「やりたいこと」よりも、「将来的に自由になるために今何が必要か」という逆算が大切です。

メンタルが弱い人がストレスを抑えながら稼ぐには?


「FIREを目指すには高収入が必要」と聞くと、どうしてもガツガツした営業やハードワークな職種を思い浮かべがちです。しかし、すべての人がそうした働き方に向いているわけではありません。

特に、対人ストレスに弱い・怒られるのが怖い・過度なプレッシャーで体調を崩しやすいという人にとっては収入以前に“普通に働くこと”自体が重荷になってしまうこともあります。

では「メンタル的に無理がない」×「収入が見込める」仕事にはどのようなものがあるのでしょうか?

①マニュアル化・一人作業の多い仕事を選ぶ

対人コミュニケーションに強くない人でも、マニュアルが整っていて1人で完結する作業が多い仕事であれば精神的負担を抑えられます。

作業の手順が明確で、誰かの顔色をうかがう必要がない仕事であれば自分のペースで取り組めるでしょう。

例:工場の品質検査、在宅ライター、データ入力、EC運営アシスタントなど

これらの仕事は定型業務が中心で、突発的なトラブルも少なく、怒られる機会も少ないです。また、在宅ワークであれば通勤や社内人間関係といった外的ストレスからも解放されるため、精神的な消耗を抑えられます。

②仕事量をコントロールしやすい業務委託・副業

正社員の働き方は会社の都合や急な業務変更に振り回されることも多く、メンタルの安定が難しくなりがちです。一方、業務委託や副業的な働き方であれば、自分の体調や気分に合わせて仕事量を調整できるというメリットがあります。

例:動画編集者、Webライター、Webデザイナー

たとえば僕みたいなWebライターであれば初心者でも継続すれば月5万〜10万円を目指せます。最初はめっちゃ大変ですが、センスがある人なら最大で月60〜80万くらいは目指せるでしょう。(僕は月に350時間くらい働いて60万ちょいが限界でしたが)

また、ブログやアフィリエイトなどもすぐに大きな成果が出るわけではありませんが、続けることでストック型の収入につながる可能性があります。(と、このブログをまだ収益化できてない僕が言っても説得力皆無ですが)


また、動画編集は1本単位の受注が多く、納期さえ守れば自分のペースで作業できるため、精神的にも比較的安定しやすいです。無理のない範囲で少しずつ収入源を育てていくことで、「働き方を自分で選べる」安心感が得られます。

③ストレスが少ない業界・社風を狙う

どの職種でも、「どこで働くか」は非常に重要な要素です。給与水準が少し低くても、ストレスの少ない職場で働けるのであれば、それはFIREを目指すうえでの大きなアドバンテージになります。
心身の安定を保ちつつ、毎月コツコツ貯金・投資ができれば、時間をかけて着実にFIREに近づけるからです。

たとえば、総務や経理などの社内向け職種は外部とのやり取りが少なく、比較的穏やかな雰囲気の中で仕事ができます。また、NPOや非営利団体などは成果主義よりも理念や人間関係を重視する傾向があり、プレッシャーに弱い人には向いています。

さらに、定時退社が文化になっている中小企業では給与が平均より少し低くても、自由時間を確保しやすく、Wワークにも最適でしょう。

④「FIRE後に働ける手段」を今のうちに育てておく

たとえ「今の自分には収入を増やすのは無理かも…」と思っていても、今のうちに少しずつスキルを育てていけば、将来的に“自分で収入を選べる状態”に近づけます。これはFIREの達成後にも大きな安心材料になります。

たとえば、コツコツとブログを書いてアドセンスやアフィリエイトでの収益を狙う、IllustratorやPhotoshopを勉強してデザインスキルを磨く、書評やまとめ系の動画を作ってYouTubeを始めてみる、など、選択肢は無限です。

いずれも大きな初期投資は不要で、時間さえかければ再現性のある収入源になり得ます。「いつでも稼げる手段を持っている」という安心感はFIRE後の不安を大きく軽減してくれるでしょう。

働きたくない人が就活で意識すべきこと


就職活動において、「働きたくない」と思っている自分を否定する必要はありません。
むしろ、「働きたくないからこそ、何を避けるべきかが明確」であることはキャリア選択において非常に強力な武器になります。
無理に働きたいフリをして自分に合わない企業に入社すると、ミスマッチで早期離職に繋がるリスクも高まります。
自分の「嫌なこと」に敏感であることはむしろ就活においてアドバンテージです。

「やりがい」より「消耗しないこと」を優先する

働きたくないと思っている人にとって最も重要なのは「できるだけ消耗せずに生き延びられる環境を探すこと」です。やりがいや成長といった要素は心身に余裕がある人が後から考えるものです。
まずは「自分を壊さずに済む仕事」を選び、長く安定して働ける土台を築くことが先決です。

たとえば、以下のような環境ならばストレスを最小限に抑えられるでしょう。

  • 残業が少なく定時で帰れる文化がある
  • 上司との距離感が適度で過干渉されない
  • 成果主義ではなく、協調性や安定を重視した評価制度がある

こうした会社を選ぶだけでも、日々の疲弊感や精神的プレッシャーは大きく変わってきます。「燃え尽きる前提の仕事」を避けることはFIREの実現を目指す上でも極めて合理的です。

自分の「逃げ道」を確保しておく

働くのがつらくなったとき、すぐに抜け出せる準備をしておくことも、就活時点から意識すべきポイントです。
たとえば、「住宅手当が出ているから引っ越せない」「仲の良い同期がいるから辞めにくい」といった「しがらみ」は自分を縛る要因になります。

こうした仕組みに縛られない働き方を意識することで、精神的な逃げ道を確保できます。

  • 転職しやすい職種(事務職、Web系、エンジニア職など)
  • スキルの持ち運びがしやすく、どこでも働ける業務内容
  • 副業や単発バイトで一時的に食いつなげる手段があるか

こうした条件を満たしていれば、「いつでも離れられる」という安心感が得られ、日々のストレスも軽減されます。逃げ道があることで、仕事に対する執着心や恐怖感が和らぎ、余裕を持って過ごせるようになるでしょう。

FIRE視点で企業選びをする

「FIREを目指しています」と面接で正直に話す必要はありませんが、資産形成やゆるやかな働き方を視野に入れて企業を選ぶこと自体はまったく問題のない考え方です。
むしろ、自分の将来像を明確にイメージして企業選びをしていることは合理的かつ主体的な姿勢といえます。

たとえば、以下のような視点で企業情報を確認しておくと、FIRE志向との相性を測ることができます。

  • 副業が許可されているか
  • 退職金や企業型確定拠出年金制度があるか
  • 投資やマネーリテラシーに理解のある社風か

こうした情報は会社説明会や福利厚生欄、口コミサイトなどからもある程度確認できます。「資産形成を意識したライフプラン」を持っていることは働き方を選ぶ上で非常に有益な軸になるでしょう。

「働きたくない」という気持ちは後ろ向きではなく、「自由を大切にしたい」という前向きな価値観でもあります。
その視点を持って企業を選ぶことが、長期的な安定と満足度につながります。

FIRE視点で企業を探すには?


FIREを本気で目指すなら、「名前を知っている会社」「人気ランキングの上位企業」を選ぶのではなく、自分のFIRE戦略とマッチする企業を見極める視点が欠かせません。

給料が高いかどうかだけでなく、「副業ができるか」「無理なく続けられるか」「資産形成を支える制度があるか」といった観点からの企業選びが重要になります。

どれだけFIREの意志が強くても、実際に働く環境がそれを妨げるものであれば、思うように資産を築けません。そこでこのセクションではFIRE志向の人が企業探しをするうえでチェックすべきポイントをいくつかの切り口に分けて詳しく解説します。

求人サイトでの検索ワード例(「副業可」「フルリモート」「残業なし」など)

FIRE志向の就活生は求人サイトで企業を探す際の「検索ワード」にも意識を向ける必要があります。

たとえば、通常の検索条件に加えて「副業可」「フルリモート」「在宅勤務あり」「残業月10時間以内」「フレックス制度」「企業型確定拠出年金あり」といったキーワードを含めることで、FIREとの親和性が高い企業に絞ることができます。

マイナビやリクナビのような就活用サイトだけでなく、WantedlyGreenOpenWork求人ボックスなど、条件で細かく検索できる中途採用向けのサイトも参考になります。

特にベンチャーやIT系企業は柔軟な働き方を取り入れているケースが多く、副業やリモートに対して理解がある職場を見つけやすいでしょう。

こうした検索ワードを活用し、「FIRE実現の土台になりうる働き方」を前提に企業を選ぶことで、将来的な選択肢が大きく広がります。

Wantedly・OpenWork・求人ボックスなどの使い分け

企業選びにおいて、求人サイトを「ただ使う」のではなく「目的に応じた使い分け」を意識することが、FIREを目指すうえでは特に重要です。

Wantedlyはベンチャーやスタートアップ企業が多く、働き方やミッションに共感できる職場を探しやすいのが特徴です。副業やリモートワークに寛容な企業も多いため、自由な働き方を求める人に向いています。

一方、OpenWorkは社員による企業のリアルな口コミが掲載されており、残業時間や人間関係、福利厚生の実態を事前に把握できます。「副業可と書いてあるけど、実際は禁止されていた」などのギャップを避けるうえで非常に有用です。

また、求人ボックスは複数の求人媒体を横断検索できるため、「条件面でFIREに合う会社」を数多く見つけたいときに便利です。使い方を分けて併用することで、理想に近い職場に出会う確率を高められます。

会社説明会や逆質問で確認したいFIRE視点のチェック項目

FIREを目指すなら会社説明会や面接の場でも積極的に情報を取りにいく姿勢が重要です。特に「逆質問」の時間はFIRE志向の就活生にとってチャンスです。

たとえば、「副業制度はありますか?」「社員の平均残業時間は?」「退職金制度や確定拠出年金はありますか?」「在宅勤務やリモートワークの頻度は?」といった質問はごく自然に聞けるうえ、FIREとの相性を確認するうえでも実用的です。

また、企業説明会のスライドやパンフレットにも「制度として存在するかどうか」は書かれていても、「実際に利用しやすいかどうか」は書かれていないケースも多いため、OB訪問や社員面談の場で制度の運用実態を聞くのも有効です。

資産形成に直結する制度や柔軟な働き方の有無はFIREに向けたキャリア設計の土台となるため、確認すべき優先度は非常に高いといえます。

FIRE後の生活について考えてみよう

FIREを達成した先の生活をイメージできないと、途中で「何のために頑張っているのかわからない」と感じてしまいがちです。

特に完全FIREではなく、セミFIREを志向する人にとっては「働かない生活」のリアルを事前に知っておくことが不安の軽減につながります。FIRE達成後の時間の使い方には明確な正解があるわけではありませんが、共通しているのは「時間の自由度が高い」「働くかどうかを自分で決められる」という点です。

このセクションではFIRE達成後に多くの人が選んでいる生活スタイルや、実際の1日スケジュールの例を紹介しながら、「FIRE後のリアル」を描いていきます。

フルリタイア型とセミFIRE型の1日スケジュール

フルリタイア型FIREを実現した人の1日はとにかく自由です。

朝は目覚ましをかけず自然に起きて、散歩や読書、趣味にゆったりと時間を使い、必要があれば家事や運動をしながら過ごします。社会との接点が少ないぶん、孤独を感じないようコミュニティ活動やボランティアに参加する人もいます。

一方、セミFIRE型の生活は「週2〜3日の副業+自由時間」という構成が多く、午前中にライターや動画編集などの作業をして、午後はカフェや公園でのんびり過ごすなど、働きすぎず収入もゼロにしないバランスの取れた過ごし方が主流です。

完全に働かないことが逆に不安になる人も多いため、「金銭的に必要はないけど、少しだけ働いている」という人も少なくありません。(多分、僕がFIREできたとしてもこうなると思います)

セミFIRE後におすすめの副業

FIRE後に人気の副業は基本的に「時間と場所に縛られず、自分のペースで進められるもの」が中心です。

中でもブログ運営は文章を書くのが好きな人に向いており、広告収益やアフィリエイト収入で月5〜10万円ほどを狙うことができます。

動画編集は需要が高く、スキルを身につければ1本あたり数千円〜数万円で受注できるため、収入の柱として有望です。Webライターも在宅かつ単発で受けられる仕事が多く、FIREとの相性が抜群です。

さらに、デジタル教材販売やnoteなどでの有料記事販売、メルカリやネットショップを使った物販なども、スキルや知識を活かせば収益化が可能です。

初期費用が少なく、スモールスタートができる点でもFIRE後に選ばれやすい副業といえます。

「暇すぎてしんどい」「孤独になりがち」という失敗例とその回避法

FIRE後に意外と多いのが、「暇すぎて逆にしんどい」「社会との接点がなくて孤独になった」という声です。

会社を辞めて自由になったものの、何をすればいいかわからず1日が無為に過ぎてしまう、誰とも話さない日が続いて精神的に不安定になる、といった事例は少なくありません。

これはFIRE後の生活に目的がなかったり、事前に生活設計をしていなかった人に多く見られます。対策としては「働かなくてもいいが、あえて何かをする」ことを自分に課すことです。

朝のルーティンを決める、週1回は人と話す予定を入れる、月ごとの目標を立ててみるなど、小さな行動を習慣化することでFIRE生活の質がぐっと上がります。完全な自由は思った以上に不安定です。

だからこそ、「ゆるく続けること」を意識した設計が重要です。

高卒や大学中退からFIREを目指す場合に必要な行動

学歴に関係なくFIREを目指すにはまず「支出の最小化」と「副収入の確保」を徹底する必要があります。

高卒や大学中退から社会に出る場合、最初の数年間は収入が低くなりがちですが、その分、実家暮らしや地方移住を活用して生活費を極限まで抑えることが重要です。

月10万円以下で生活できる環境を作れれば、投資に回せる余剰資金が生まれ、少額からでも資産形成をスタート可能です。

また、年齢が若いうちから副業に取り組み、ライティングや動画編集、ネット販売などに時間を投資しておくと、就職せずとも稼げるベースを育てられます。資格取得やデザインスキルの習得も武器になります。

要は「就職しない=楽な道」ではなく、「戦略的に働き方を選ぶ」という意識が求められるのです。

とはいえ、就職しない場合は最低でも半年、できれば1年分くらいは生活費を貯めておくと安心でしょう。

就職せず、月5〜10万円をネットで稼ぐには何が必要か

就職せずに月5〜10万円を安定して稼げるようになれば、あとは支出と投資次第で長期的な自由は手に届きます。

そのために必要なのは「人に雇われずに収入を得るスキル」の習得です。

ブログ運営による広告収入、クラウドソーシングでのWebライティング、動画編集の請負、BASEなどを使った物販などが現実的な選択肢になります。

最初の数ヶ月は利益が出ない可能性もありますが、継続することでスキルが積み上がり、報酬単価も上がっていきます。

また、SNSでの情報発信と組み合わせれば、信頼や集客力も高まります。最も大切なのは「結果が出るまで折れない継続力」と「毎日1〜2時間でも作業を続ける生活習慣」です。この積み重ねが、雇用に頼らない自由な生活の入口となります。

就職しない選択肢のリスクと逃げ道の確保方法

就職しない生き方には自由がありますが、それと引き換えに「収入が不安定」「社会的信用が低い」「孤独になりやすい」といったリスクも伴います。

収入がゼロになる可能性や、急な病気で働けなくなる不安を軽視してはいけません。そのため、自分に合った「逃げ道」をあらかじめ用意しておくことが大切です。

たとえば、実家暮らしを継続して家賃を抑える、生活コストの低いシェアハウスに住む、地域おこし協力隊など地方自治体の制度を活用して「働きながら家賃ゼロ+副業OK」という環境を確保するなど、保険的な選択肢を並行して持つことで、精神的な安定感が大きく変わります。

自由を選ぶということは「リスクと責任も引き受けること」です。だからこそ、あらかじめ「失敗しても生きていける仕組み」を整えておく必要があります。

「セミFIRE」についてもう少し詳しく見てみよう

FIREという言葉を聞くと、「30代でリタイア」「何億も稼ぐ」「完全に働かない」といったイメージを抱く人も多いかもしれません。しかし、そうした“完全FIRE”を目指すのは非常にハードルが高く、現実的には精神的にも経済的にも負担が大きすぎるという声も少なくありません。

そんな中で注目されているのが、「セミFIRE」と呼ばれるライフスタイルです。これは「完全に働かない」ではなく、「最低限の労働だけで生活を成立させつつ、自由な時間を最大化する」という生き方です。

完全FIREセミFIRE(ゆるFIRE)
労働一切しない少し働く(週2〜3、短時間)
資産目標6,000万円〜1億円2,000万円〜4,000万円
主な収入資産運用資産運用+副業・パート
リスク投資に失敗すると収入ゼロ生活費の一部を働いて補える
精神的負担自由だが孤独・不安も適度な社会との接点がある


セミFIREは「最低限の生活費+少しの労働」で生活を成立させるため、必要な資産も少なく、再現性が高いのが魅力です。たとえば、月に10万円だけ副業で稼げればあとは投資収益や貯金で補えるので、フルタイム勤務を卒業できるのです。

セミFIREは以下のような人に向いています。

  • 完全に働かないと不安になりそうな人
  • 人間関係はほどほどに保ちたい人
  • 好きなことだけして暮らしたいが、全く無収入は怖い人
  • 在宅仕事に慣れている人

「働くこと自体は嫌じゃないけど、フルタイムで拘束されたり、理不尽な指示に従うのはもう無理」という人にとって、セミFIREは最もバランスが取れた選択肢です。

まとめ|働きたくないなら、最初からFIRE前提で戦略を立てよう

「働きたくない」という感情を抱えて就職活動をしていると、どうしても後ろめたさや焦りを感じることがあります。周囲は“やりがい”や“成長”を語り、自分だけが逃げ腰に見える――そんな不安を感じてしまう人も多いでしょう。

しかし、働きたくないからこそ、「どうすれば早く労働から自由になれるか」という視点でキャリアを考えることは非常に合理的で賢い選択です。それがまさにFIREの思想です。

FIREは一部の富裕層だけの夢ではありません。支出を抑えつつ、必要なスキルと収入源を確保し、戦略的に資産を積み上げていけば、20代・30代でも到達は可能です。そして、完全に働かなくてもいい「セミFIRE」であれば、もっと早く、もっと現実的に実現できる可能性があります。

FIREを目指す就活では「どんな会社に入りたいか」ではなく、「どんな生活をしたいか」から逆算することが大切です。たとえ就活生であっても、「数年働いて、あとはゆるく生きたい」という将来像を描くことは自由ですし、むしろ現代ではごく自然な価値観になりつつあります。

怒られたくない。
疲れ果てたくない。
ずっと働き続けるなんて無理。

そう思っているあなたにこそ、FIREという選択肢があります。